マンウォッチング

当時、地位の高い男性は、地位の高いスポーツを楽しんだ。イギリス紳士は狩猟に没頭し、その場合には目立つモードを取り入れていた。彼らは馬に乗りやすいように、前が割れて後ろに燕尾のついたコートを着た(略)この狩猟用のいでたちが、いったん、当時の地位の高い人々のスポーツウェアとして確立されると、これはレジャーや働く必要のないことと同義に(略)この服装がありふれたものになり、高い地位としての特性が失われてしまった(略)背広はすぐさま燕尾服を昼間の社交的な催しからしめ出してしまった。結局、燕尾服は、「昼間の礼装モーニング」として、結婚式やほかのこれに類する儀式という形式ばった場合の服へ、また「夜会服」として、特別な夜のための時代遅れの黒白姿へ退却した。さらに無情にも背広は、燕尾服をこうしたとりでからも追いたて、いまでは燕尾服を、高級レストランのボーイ長の服装という遺物的地位に落としてしまったのだ。それに代わって、いたるところにタキシードが進出した。これは、背広を新たに時代遅れの黒と白の取り合わせへと変形したものである。背広がこの神聖な地位に到達するやいなや、それを新しく、より大胆なスポーツウェアに置き換えることが必要になり始めた。そのスポーツウェアとは、クロスカントリーで馬に駆け足させるときに、地位の高い人が着た乗馬用ジャケットのことであり、「スポーツジャケット」として知られる、日常のカジュアルウェアへとなっていった。そして、すぐに、長い社会的道筋をのぼり、会議室や重役室にまで達したのである。今はまだ、自己の地位を固く守っている背広と闘争中であるが、どちらを選ぼうとも、現代のビジネスマンは例外なく、以前にスポーツウェアであったものを着ているのだといえる。

※平たい顔族の我々はギャグ漫画のミニオンで行く、という開き直りが必要。それが長生きの秘訣かもしれません。